鹿児島・指宿は、江戸時代から続く歴史ある温泉文化が今も息づく街です。
この記事では、昭和レトロな雰囲気を色濃く残す指宿の公衆浴場を、歴史の古い順にランキング形式で7つご紹介します。
殿様も浸かった「殿様の湯」や、西郷隆盛ゆかりの「鰻温泉」、地元の日常に溶け込んだ「こらん湯」など、どれも“暮らしの中で愛され続けてきた名湯”ばかり。
住所・料金・営業時間・アクセスなどの基本情報もあわせてまとめているので、指宿旅行の計画や、昭和レトロな温泉巡りのルート決めにも役立てていただけます。
歴史好きの方も、温泉好きの方も、指宿ならではの“生きた温泉文化”を体感する一湯を見つけてみませんか。
【指宿】殿様の湯|194年続く”殿様も浸かった歴史湯”
おすすめポイント

殿様の湯は、その名のとおり、かつて薩摩藩主・島津斉興が湯治に訪れたと伝わる温泉です。
194年前に湧き出したこの湯は、現在も姿を変えずに残り、指宿の中でも特に歴史を感じられる存在となっています。
浴槽や周囲の造りは簡素ながら、湯に浸かると不思議と背筋が伸びるような感覚があります。
当時の殿様も、同じ湯に身を委ねながら旅の疲れを癒していたのかと思うと、時間の距離がぐっと縮まるようです。
華やかな設備はありませんが、194年という歳月を静かに守り続けてきたその佇まいこそが、この温泉最大の魅力。
殿様の名を冠するにふさわしい“歴史そのものの湯”を、今も変わらず味わうことができます。

私は194年前のお風呂と知らず、名前「殿様の湯」が面白くて来たんです!そしたら経営者の方からお話を聞けば聞くほど、鳥肌が立ってきだして、興奮しかなかったです!指宿は凄いところですよね。代々継がれ続けて今に至るわけですけど、歴史に興味がない私でも興奮するくらいなので、歴史好きな方は言葉に出来ないほどだと思います。「余談ですが、NHKドラマで有名な天璋院/篤姫を養女にした人」が、島津斉興の息子島津斉彬と言われています。
| タイプ: 男湯(1槽)女湯(1槽) |
| 泉 質:ナトリウム塩化物泉 |
| 泉温等:源泉温度53℃ 源泉かけ流し |
| 効 能:一般的に言われている適応症 |
| 備 品:リンスインシャンプー・石鹸・ボディソープ・タオル |
基本情報(住所・料金・アクセス・営業時間)
住所:鹿児島県指宿市西方1408-27
電話:0993-22-2827
料金:大人(中学生以上)400円、小学生100円、幼児50円
定休日:毎週金曜日(祭日、お盆、年末年始の金曜日は営業)
駐車場:22台
営業時間:7:00~20:30(受付終了20:00)
村の湯(むらん湯)|152年守られてきた“生きた温泉文化財”
おすすめポイント

入口は、とてもシンプル!温泉ソムリエの視点から見ても、この明治15年創業という歴史は圧巻です。
140年を超える時の流れの中で、地元の人たちに大切に守られ続けてきた村の湯(むらん湯)。
まさに“生きた温泉文化財”と呼びたくなる存在です。
村之湯は源泉が4つあり、それぞれ泉質も違うそうです。浴槽の足元自噴の湯と他の源泉の湯を混ぜて温度調節をしています。脱衣所から見て手前があつめのお湯、奥がぬるめのお湯となっています。
152年前に田んぼの中に突然湧いたこのお湯には明治7年に西郷さんも訪れたそうです。歴史ある温泉です。
| 泉 質:アルカリ性明ばん泉 |
| 泉温等:源泉温度75°C |
| 効 能:一般的に言われている適応症 |
| 備 品:石けん、シャンプーなし |
基本情報(住所・料金・アクセス・営業時間)
住所:鹿児島県指宿市大牟礼三丁目-16-2
電話:0993-23-3713
料金:大人:350円 子供:100円 幼児:50円
定休日:年中無休
駐車場:あり
営業時間:8:00~22:00
【指宿】弥次ヶ湯温泉の特徴|加水できない“本物のかけ流し湯”
おすすめポイント

弥次ヶ湯温泉は、加水ができない源泉かけ流しのため、湯温は高め。
自然のままの温泉をそのまま味わうスタイルで、熱い湯が好きな人にはたまらない一湯です。
一方、敷地内にある大黒温泉は、加水による温度調節が可能なかけ流し湯。
その日の体調や好みに合わせて、湯を選べるのもこの温泉ならではの魅力といえるでしょう。
同じ場所にありながら、性格の異なる二つの湯を楽しめる──
それが弥次ヶ湯温泉の大きな特徴です。
| タイプ:男湯(2槽)、女湯(2槽) |
| 泉 質:弱泡化ナトリウム |
| 泉温等:源泉温度50°C 源泉かけ流し |
| 効 能:一般的に言われている適応症 |
基本情報(住所・料金・アクセス・営業時間)
住所:鹿児島県指宿市十町1068
電話:0993-22-3030
料金:大人:400円 小学生:100円 幼児:50円
定休日:木曜日
駐車場:あり(第1駐車場・第2駐車場)
営業時間:8:00~21:00
【指宿】東郷温泉|130年続く“暮らしの湯”に、昭和のぬくもり

おすすめポイント
地元の人に愛され、130年という年月を経たという、昔ながらの温泉。平成16年に、上下水道の工事のときにリニューアルしたそうです。
鹿児島・指宿の静かな街並みに溶け込むように存在する「東郷温泉」は、観光客が行き交う華やかな温泉街とは一線を画す、地域密着型の「暮らしの湯」。
特徴は、シンプルながらも確かな泉質と、どこか懐かしさを感じさせる昭和レトロな空間。弱アルカリ性のやわらかな湯は、肌をそっと包み込むような心地よさで、湯冷めしにくく、何度でも通いたくなる魅力があります。
日常の一部として、あるいは旅の途中で立ち寄る場所として、指宿の人々にとっても特別な存在となっています。

自転車で毎日来ているよ~という奥様に聞いたところ、もう自分のうちのお風呂みたいなもんだよと言ってました。
| タイプ:内湯:男湯(2箇所)、女湯(2箇所)/足湯 |
| 泉 質:ナトリウム塩化物泉 |
| 泉温等:源泉温度71.7°C加水 源泉かけ流し |
| 効 能:一般的に言われている適応症 |
| 備 品:シャンプー・石鹸 |
基本情報(住所・料金・アクセス・営業時間)
住所:鹿児島県指宿市大牟礼三丁目16-58
電話:0993-23-4500
料金:大人350円 小学生100円 幼児50円
定休日:毎月15日と30日の午前中
駐車場:あり
営業時間:6:00~20:00
【指宿】区営鰻温泉|西郷隆盛も癒された、124年の湯治場
おすすめポイント
西郷隆盛(西郷どん)も湯治に訪れたと伝えられる、歴史ある温泉です。
指宿市の南端、鰻池(うなぎいけ)のほとりに、静かに湯けむりを上げる「区営鰻温泉」があります。ここは観光ガイドにはあまり載っていない、まさに“知る人ぞ知る”地元密着型の共同浴場。外観も中身も派手さはゼロですが、その分、素朴で肩肘張らない空気が心地よく、訪れるたびにホッとできる、そんな温泉です。
湯は地下から自噴していて、ほんのり硫黄の香りが漂う天然のかけ流し。熱めのお湯が特徴で、短時間でも体の芯からしっかり温まります。浴場の天井や壁の木の感じもレトロで味わい深く、まるで昭和にタイムスリップしたような感覚。
地元の方が生活の一部として使っているこの温泉に、旅人がふらっと混ざる。そんな自然体の交流も、鰻温泉ならではの魅力かもしれません。派手な観光地にちょっと疲れた人、素朴でリアルな温泉文化を感じてみたい人には、ぴったりの場所です。
【蒸気の特徴】
- 地熱が高く、地面のあちこちから自然に蒸気が噴き出すのが特徴
- 蒸気の熱を使って、地元の人たちは“蒸し料理”を楽しむ文化が根付いている
- 敷地内には「蒸し場」や「蒸し釜」があり、温泉卵や野菜をセルフで蒸すことができる
- 蒸気は硫黄を含み、温泉の香りが立ちのぼる野趣あふれる体験ができる
- 気温に関係なく、湯けむりが景観の一部となっているのも鰻温泉の風情
鰻池の湖畔にたたずむ江戸時代から続き、西郷隆盛も滞在した湯治場として知られる。 熱めの湯でシンプルな造りです。
| タイプ:男湯(2槽)、女湯(2槽) |
| 泉 質:単純硫黄泉 |
| 泉温等:源泉温度88.8℃加水 源泉かけ流し |
| 効 能:一般的に言われている適応症 |
基本情報(住所・料金・アクセス・営業時間)
住所:鹿児島県指宿市山川成川6517
電話:0993-35-0814
料金:大人(中学生以上)300円 小学生100円 乳幼児50円
定休日:毎月第1月曜日(祝日の場合は翌月曜日)
駐車場:あり
営業時間:6月~9月8:00~13:00/15:00~20:00・10月~5月8:00~20:00
【指宿】河原湯温泉(こらん湯)|創業100年”暮らしの一部”になった温泉

おすすめポイント
観光地として有名な指宿の中でも、ちょっと渋めな存在なのが「河原湯温泉(こらんの湯)」です。地元の人たちに長年親しまれている温泉で、派手さはありませんが、落ち着いた空気が流れています。
浴槽は小さめながら、お湯は本格派。ほのかに香る硫黄と、トロッとやわらかな泉質が心地よく、じんわり体が温まっていきます。タイル張りの壁や年季の入った造りも、温泉好きにはうれしいポイントでしょう。
地元の人が日常的に通う場所だから、観光スポットというより“暮らしの一部”。
旅行で立ち寄るなら、時間を急がず、肩の力を抜いて浸かってみてください。
温泉の本質が、静かに伝わってくるそんな味わいのある温泉です。
| タイプ:内湯のみ男湯(2槽)女湯(2槽) |
| 泉 質:塩化物泉 |
| 効 能:一般的に言われている適応症 |
基本情報(住所・料金・アクセス・営業時間)
住所:鹿児島県指宿市東方7582番地
電話:0993-24-255
料金:大人300円、小学生以下100円
定休日:年中無休
駐車場:あり
営業時間:7:00~19:00
【指宿】里の温泉 吉乃湯|暮らしと遊び心が調和する街の銭湯
開業から19年、里の温泉吉乃湯は、地元に根付きながらも遊び心を忘れない銭湯として親しまれています。
おすすめポイント

和洋2種類の内湯、露天風呂が男女日替わりで楽しめます。庭には四季の花が植えられ、季節を感じながらのんびりと入れる銭湯です。月に数回イベント湯(コーヒー風呂など)を楽しめます。
| タイプ:内湯/男湯(1)女湯(1) 露天風呂/男湯(1)女湯(1) |
| 泉 質:ナトリウム塩化物泉 |
| 泉温等:源泉温度72°C 加水 源泉かけ流し |
| 効 能:一般的に言われている適応症 |
| 備 品:ドライヤー・鍵付ロッカー/休憩室(1室)/テレビ/マッサージ機/自動販売機/消毒液設置 |
基本情報(住所・料金・アクセス・営業時間)
住所:鹿児島県指宿市湯の浜四丁目2-41
電話:0993-22-3556
料金:大人350円 小学生150円 幼児80円 3歳未満無料
定休日:毎週木曜日
駐車場:あり
営業時間:14:00~21:30(受付終了 21:00)※7・8・9月は、15:00~21:30
温泉を安全に楽しむための基本的な入り方
♨️ 入浴前は、脱水を防ぐためにこまめな水分補給を心がけましょう。
♨️ お湯に浸かる前には、かけ湯をして体を少しずつ慣らすのがおすすめです。特に寒い時期は、手足から順にぬるめのお湯をかけると安心です。
♨️ 入浴中や出入りの際は、急な動作を避け、ゆっくりと行動しましょう。お湯から出るときに、立ちくらみを感じる場合もあるため、無理をしないことが大切です。
♨️ 浴槽に入る深さは、胸あたりまでを目安にすると、体への負担を感じにくいと言われています。肩まで浸かりたい場合は、短時間で様子を見ながら入浴してください。
♨️ 汗をたくさんかいたと感じたら、無理をせず一度浴槽から出て体を休めましょう。入浴の回数は2~3回程度を目安に、自分の体調に合わせて調整してください。
♨️ 湯上がり後は、体をしっかり休ませ、水分補給を忘れずに行いましょう。リラックスした時間を大切にしながら、無理のない入浴を心がけてください。
まとめ|昭和レトロの面影を残す、指宿の温泉文化
指宿には、江戸時代から続く「殿様の湯」をはじめ、昭和レトロな雰囲気を色濃く残す公衆浴場が点在しています。
今回紹介した7つの温泉は、どれも地元の人々に支えられながら、100年以上の歴史を守り続けてきた“生きた温泉文化”そのものです。
華やかな観光地とは少し違い、指宿の公衆浴場には、暮らしに根づいた素朴さと、どこか懐かしい昭和のぬくもりがあります。
記事内では、住所・料金・営業時間・アクセスなどの基本情報もまとめているので、指宿旅行のルート決めや、昭和レトロな温泉巡りの計画にもきっと役立つはずです。
歴史が好きな方はもちろん、「地元の人が通うリアルな温泉文化を味わってみたい」という方にも、今回の7湯はおすすめです。
指宿の公衆浴場で、時代を超えて受け継がれてきた“文化と癒しの時間”を是非味わってみてください。

いっど温泉に、はいっけきもはんか?(行くよ温泉に、温泉に入りに来ませんか?)という意味です。【鹿児島の方言】
※本記事の内容は、筆者が実際に訪れた体験や一般的な泉質の特徴をもとにまとめたものです。
効能や効果の感じ方には個人差があり、医療的な根拠を示すものではありません。
入浴や旅行の際は、ご自身の体調に合わせてお楽しみください。









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