「観光地の温泉はちょっと飽きた」「もっとディープで地元感のある温泉に入りたい」そんな大人の温泉好きにおすすめしたいのが、鹿児島・指宿の『村の湯』。
明治15年創業という歴史ある温泉ながら、観光パンフレットにはほとんど載っておらず、地元の人に愛され続けている“知る人ぞ知る湯”です。
本記事では、実際に現地を訪れた筆者が感じた温泉の魅力、雰囲気、地元の人との出会いなどをたっぷり紹介します。
【この記事でわかること】
- 村の湯の歴史
- 体験レポート浴槽の造り
- 地元の方とのおしゃべり
- アクセス・基本情報
- まとめ
村の湯ってどんな温泉?
指宿の住宅街にひっそりと
村の湯は、指宿駅から徒歩約10分の住宅街の中にあります。観光地というより、まさに“暮らしの一部”として存在している場所。
一見すると普通の民家のような外観で、「本当にここで合ってるのかな?」と不安になるくらい控えめなたたずまいです。
西郷どんも癒された?明治15年創業

入り口には年季の入った木の看板。「明治十五年三月十日創業」の文字が堂々と掲げられていて、その歴史の深さを感じさせます。
地元の方によると、「西郷隆盛もここに入ったらしい」という話もあるそう。まさに、歴史ロマンが湯けむりとともに立ちのぼるような場所です。

明治7年にせごどん(西郷さん)が、むらん湯に入りに来た!同じく明治7年の12月27日夕方に区営鰻温泉に湯治をしに来られた!と鰻温泉の歴史を記す看板に書かれています!西郷どんが、ドスンドスンと歩いている姿が浮かんで来ます。
外観と館内の“昭和感”がすごい
レトロ好きにはたまらない建物

建物は木造平屋で、ガラガラと開ける引き戸、すりガラス、番台。時代に取り残されたような空間が、逆に新鮮に感じられます。
脱衣所には年季の入った木棚、昔ながらの体重計。レトロなタイルや張り紙から、丁寧に受け継がれてきた生活のにおいが伝わってきました。
派手さはないけど、落ち着く空間
豪華な設備はありませんが、掃除が行き届いており、どこかほっとする雰囲気。BGMもなく、ただお湯の音と常連さんたちのゆるやかな会話が聞こえてくるだけ。
気取らない静けさが、心の疲れまで溶かしてくれるようでした。
体験レポート|いざ、湯船へ
シンプルな構造に驚き

浴室はタイル張りで、中央に湯船が二つ。洗い場には椅子と洗面器が並ぶだけのシンプルなつくり。お湯を汲む蛇口も一つ。
今どきのスーパー銭湯とは真逆のつくりに、初めての人は少し戸惑うかもしれません。でも、これこそが昔ながらの“銭湯スタイル”。
泉質は?香りと体感でわかる“天然もの”
湯は無色透明で、さらっとした感触。湯口から注がれるお湯はやや熱めで、すぐに体がぽかぽかに。
湯上がりの肌はつるつるすべすべ。うっすらと感じる硫黄の香りが、「ああ、これは天然の温泉だな」と確信させてくれました。
地元の人とのふれあいが醍醐味
何気ない会話にほっこり

この日出会ったのは、70代くらいの地元のおじいちゃん。「今日はぬるかったな〜」と話しかけてくれて、そこから昔の村の湯の話へ。
以前は湯船がもっと深かったとか、若いころはここで友達と待ち合わせしてたとか。まるで、時間の隙間からこぼれ落ちた物語を聞かせてもらったような気持ちになりました。
観光地では味わえない“地元感”
村の湯には、観光客向けの案内や飾りはほとんどありません。でも、だからこそ“本当の温泉文化”を感じられる場所。
湯の熱さ、地元の人の会話、張り紙一枚までが「暮らし」そのもの。観光地での温泉体験とはまったく違う、等身大の癒しがそこにあります。
村の湯の“ちょっと珍しい”ポイント
観光パンフに載ってないのに143年

村の湯は、その歴史や泉質のわりに、観光情報誌ではあまり紹介されていません。ですが、そこがまた魅力。
混雑も少なく、静かに過ごせる隠れ家のような存在。まさに“知る人ぞ知る名湯”です。
常連さんが守る“暗黙のマナー”
掲示物には「静かに」「湯を汚さないように」などの注意書きが。湯船に入る前のかけ湯、隣に気を配るなど、ローカルなマナーが自然に守られている雰囲気も居心地がいいポイント。
観光客として訪れるなら、その空気感に溶け込む気持ちを持つのが大事です。
アクセス・基本情報まとめ
※JR指宿駅から、徒歩約10分くらいです。
施設名 | 村の湯 |
住所 | 鹿児島県指宿市大牟礼三丁目-16-2 |
電話 | 0993-23-3713 |
営業時間 | 7:00~22:00 |
定休日 | 年中無休 |
料金 | 大人:350円 子供:100円 幼児:50円 |
備品 | シャンプー等なし(持参推奨) ドライヤーあり |
駐車場 | あり(無料) |
まとめ|“温泉に入る”というより、“温泉に暮らす”体験

村の湯は、観光地では味わえない「静けさ」や「地元感」にあふれた温泉です。
明治から続く歴史ある湯船に浸かりながら、西郷どんも癒されたかもしれない…そんなロマンに想いを馳せてみるのも、旅の楽しみ。
派手さや便利さはないけれど、心と体にしみこむような“本物の温泉体験”をしたい方には、まさにぴったりの一湯です。
あなたも今度、観光マップに載らない温泉に、ふらっと立ち寄ってみませんか?
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