静かなランチタイムを求める大人の女性や、自然に癒されながら旅の途中でほっと一息つきたい方に向けて書いています。
たまたま午後にぽっかりと時間ができたある日、「どこか静かで美味しいごはんが食べられる場所ないかな」とスマホを開き、たどり着いたのが『古民家で昼ご飯 梅里』。海沿いを走る道を抜け、少し奥まったところに、静かに佇む古民家がありました。
慌ただしい毎日を忘れ、指宿の自然に寄り添いながら過ごすランチタイムは、大人女子にこそおすすめしたい「小さなごほうび」です。今回は、実際に訪れて体験した時間をもとに、梅里の魅力をまるごとご紹介します。
ゆったり流れる待ち時間も、ここでは特別なひととき
前のベンチに座っていた女性グループが『ここ、何度来ても落ち着くよね』と話していて、それだけで期待感が膨らみました。
訪れたのは平日の午前11時半ごろ。開店前にも関わらず、すでに数組のお客さんが入口の名簿に名前を記入していました。私たちも名前を書き、木製の長椅子に腰掛けてしばらく待ちます。店先には木々の緑と小さな立て看板。「ご飯の炊き上がりに24分かかります」と丁寧に書かれています。
順番が来て呼ばれると、古民家らしい引き戸を開け、靴を脱いで中へ。通されたのは中庭を望める窓際の2人席。目の前には玉榊の緑が風に揺れ、その奥には遠くに海が見える絶景。照明もほんのり暗めで、木のぬくもりを感じられる落ち着いた空間です。
中に入れば、時間がゆっくりと動き出す
案内されたのは、玉榊が植えられた中庭を望む窓際の2人席。照明は控えめで、障子越しの自然光が優しく差し込みます。足元からふわっと香る木の匂い。まるで田舎のおばあちゃん家に帰ってきたかのような安心感に包まれました。
席につくと、スタッフさんが笑顔で「土鍋ご飯を炊きますので、少しお時間をいただきます」と案内してくれました。注文は1種類のみの『篤姫御膳』。
待っている間は、セルフサービスのお茶・味噌汁・お漬物を楽しめます。私は知覧茶と、ほんのり甘く漬けられた大根のぬか漬けを。味噌汁も、ただのおまけではなく、出汁の深みが感じられて思わず2杯いただいてしまいました。

土鍋のふたを開ける瞬間のときめき

20分ほどして運ばれてきた土鍋は、見た目からしてツヤツヤ。そのまま食卓の中心に置かれ、蓋を開けた瞬間に立ち上る湯気と甘い香りに、隣の夫とふたりして「うわぁ…」と声を漏らしてしまいました。
ご飯は一粒一粒が立っていて、もちもちしながらも重くない。ひと口目で、言葉が出ないくらい感動しました。
『篤姫御膳』でいただける、丁寧な6つのおかず
- カンパチとシビのお刺身:鹿児島ならではの甘いお醤油と相性抜群で、脂がのっていて口に入れた瞬間とろけました。
- 煮物:人参、大根、厚揚げがしっとりと煮込まれていて、家庭の味を超えたやさしさを感じる一品。
- 天ぷら:かぼちゃ、なす、海老が絶妙な揚げ加減。サクッと軽い衣に塩をつけていただくのが最高でした。
- 白和え:夫が「白和えってこんなにうまかったっけ?」と驚いたほど。甘すぎず、豆腐のコクがじんわり広がります。
- 自家製サラダ:無農薬のシャキシャキ野菜と酸味の効いた手作りドレッシングが絶妙。
- お蕎麦:ほんのり冷たく、つるんとしたのど越し。箸休めにぴったりの存在感。
どれも手作りの良さがぎゅっと詰まっていて、派手さはないけれど、ひとつひとつがしっかりと心に残る味でした。
どれもが控えめだけど印象に残る味で、特に白和えが好みの味。白和えって正直、家ではあまり手が伸びないおかずだったんですが、ここのは別格。ほんのりした甘みとやさしい口あたりで、夫が『これ、白和えの概念が変わった…』と目をまんまるにしてました。思わず夫の分にも手が伸びそうになりました。
食べきれなかったら“旅のおとも”に
ご飯が食べきれなかったら、おにぎりにしてくれるサービスも。竹皮に包その姿も可愛くて、持ち帰って旅の帰り道の海辺でいただきました。冷めてもほんのり甘みが残っていて、“最後までおいしい”とはまさにこのこと。
また、食後には「食器は重ねずにトレーに置いてください」とのメッセージが。竹籠のやわらかさに配慮する姿勢からも、お店全体に流れる“ていねい”な空気を感じました。

私たちの梅里体験記
この日はちょっと出遅れて、到着が12時ごろ。すでに5組待ちで、席に案内されるまでに50分ほどかかりました。それでも、不思議と「待ったなあ」という感じはなかったんです。
ベンチでおしゃべりを楽しむご年配のご夫婦、ひとりで静かに文庫本を読む女性、写真を撮っている若いカップル…。店先に流れる時間そのものが、どこか優しくて、のんびりとした空気感。
帰り際、スタッフの方が「また季節を変えて来てくださいね」と声をかけてくれて、私たちも「次は春の桜の頃に来たいね」と話しながら車に戻りました。

皆さん、やっぱり炊きたてご飯の美味しさを分かってますね。1時間待つ方もいるみたいです。でも待つだけの価値はあると思います。ぜひ一度お出かけください。
梅里が人気の理由(口コミまとめ)
- 開店30分前から並ぶこともある
- メニューは1種類のみ。迷わなくていい
- 土鍋ご飯のレベルが高すぎる
- 店の雰囲気がとにかく落ち着く
強いて言えば、真夏の店内は少し暑め。ただ、風の通り道を計算された設計と冷たいお茶の提供で、それも気にならないほど快適でした。
古民家で昼ご飯梅里へのアクセス情報
- 住所:鹿児島県指宿市(※最新情報は公式案内を確認)
- アクセス:指宿駅から車で約10分
- 駐車場:徒歩1分圏内に広々とした無料駐車場あり
- 予約不可。名前を書いて順番待ち方式です。
まとめ|指宿で心もお腹も満たされる、優しい昼ご飯
「梅里」は、料理の味だけでなく、その空気、時間、空間すべてが“ごちそう”になる不思議な場所です。
観光のついでに立ち寄ったはずが、気づけば「またあのご飯が食べたいな」と思い出してしまう。そんな温もりのあるお昼ごはんを探している方に、ぜひおすすめしたい一軒です。
炊きたての湯気の奥に、そっと咲く小さなごほうび。あなたの指宿旅が、ほんの少しでも豊かなものになりますように。
梅里の魅力は、料理の美味しさはもちろん、店の空気や景色、人の温かさまで全部がセットになっているところ。指宿に行くなら、絶対立ち寄ってほしい、とっておきの場所です。
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